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11月3日、文化の日です。そんな日に、丸森の文化として知名度が上がってきたと思うのは、やはり「猫神さま(猫碑)」です。現在、丸森で見つかっている猫神さまは80基以上となっています。これだけの数が残されている町は、他に類を見ないところです。昔、養蚕が盛んだった丸森では、ネズミが起こす蚕や繭への被害を防ぐため、家に猫を飼うようになっていたそうです。そんな役目を果たした猫の供養碑として建てられたものがほとんどだそうですが、繭の豊作祈願や、猫の成長祈願としての石碑や像が日本で一番多く残されている丸森町です。そんな猫神さまが世に広まるきっかけとなったのが、平成24年に発行された「丸森の猫神さま(発行:丸森町教育委員会)」です。猫碑の研究をされていた村田町歴史みらい館の館長:石黒伸一朗氏が調査・執筆されたものです。最初に発行したのち、大きな反響とともに町内の他にも残されている猫碑情報も集まり、これまでに2度改版されています。(現在は「丸森町の猫碑めぐり」という冊子になっています。)私どもも、そんな猫神さまの事をもっと多くの皆さんに知ってもらえるように、2022年から『猫神祭』というお祭りを開催してきました。今年2月に開催した際には、とても多くのお客さまにご来場いただき、丸森の猫神さまを知ってもらえる大きな機会になってきたと思います。そんな猫神さまを文化として考えた時、それは猫碑だけではなく、町内に残る他の多くの石碑が根底にあるのかなと思います。町内には多くの種類の石碑があり、全部で2,000基を超える数が確認されています。江戸時代に建てられたものが多いようですが、現代ではこのような石碑を建てるという人はほとんど居ません。それだけ時代背景や暮らしそのものが変わっているという事なのでしょう。しかし、当時の人々がどのように日々を暮らしていたかを知る事で、石に刻んでまで残そうとしたその想いが想像しやすくなる気がします。文化の日、秋の夜長に、そんな想いにふけってみるのも、いかがでしょうか。
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