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お米の100%自給を実現
北澤 和則さん(57) 移住時期/2018年7月 出身地/千葉県 <四万十市に移住したきっかけはきっかけは?> 若いころはレーサーとしてF3レースに出ていましたが、辞めて30代からは路線バスの運転手をしていました。 移住のきっかけになったのは、リーマンショックが起こる前くらいに、株式投資の勉強をはじめたんです。 そうしたら、世の中のいろんな本質が見えてきました。東日本大震災もきっかけの一つですね。このままの社会でいいはずがない、と考えに考えた末に、理想の暮らしを実現できる場所を探し始めました。 千葉県内にある四街道自然農塾とNPO法人SOSA PROJECTで無農薬栽培や自然農を実際に体験したり、移住ツアーに参加したりもしましたね。 移住先は高知に限定せずに各地で探していましたが、四万十市の今の空き家を見せていただいた時に、地元で頑張っておられる山本真一さんから地域に対する熱い思いを聞かせていただいて、ここにしよう、と思ったんです。 家の裏に田畑があるんですが、その上には民家がないので、ここでならきれいな水で米作りができることも決め手になりました。 <四万十市に来て今、どんな暮らしをしていますか?> お米は100%自給できるようになりました。稲刈りをしている時が一番幸せです。昔の人が実りの秋にお祭りをしていた気持ちが良くわかります。 畑は土を耕さず植物の根やミミズや微生物の力に任せる自然農で作っているので、土づくりにまだ時間がかかりそうで難しいですね。 やることはたくさんあるんですが、ぜんぜん手が回っていません。元の職場が一緒だった富田義生さんが移住してきたので、畑は彼にほとんど任せています。 移住してからは一切風邪をひかなくなりました。自然の季節にあった食べ物や発酵食品を食べるのが体には一番いいですね。味噌や納豆も自分たちで作っています。
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自然農と自給自足を体験できる宿
<「民泊 土と和」について教えてください> 「民泊 土と和」は自然農と自給自足の暮らしを体験できる宿です。 田植えや稲刈り体験、味噌づくり体験などを通して、こういう暮らしをしたい、移住したいと思ってもらうきっかけになることを期待しています。 私たちがふだん食べている玄米や野菜などを一緒に料理をして食べていただいていますが、納豆を食べた子どもが「今まで食べた中で一番美味しい!」と感動してくれたことが嬉しかったです。 添加物や化学調味料を食べ続けると舌がだめになってしまうので、その前に本物の味を知ってほしいですね。 <これからやってみたいことはありますか?> 「タイニーハウスエコヴィレッジ」をつくりたいんです。目指しているのは、お金がなくても心配することなく健康に暮らすことのできる、争いのないコミュニティ。 全国各地にすでに作られているコミュニティがあるので、話を聞いたり見学に行ったりして同じ想いの人たちとつながりを作っているところです。 今度、集落に新たな友人2人が移住してきます。そうやって少しずつ人を増やしていきたいです。ただ、移住したい人はたくさんいても住む家がないことが課題ですね。 <移住したい人へのアドバイス> 食べ物はおいしいし人もいい、水も空気もきれいなので、自給的な暮らしをしたい人にとっては最高です。 何か困ったことがあれば私も協力しますし、とっかかりとして来てもらいやすいのではないかな、と思います。 ▼地元のキーパーソン・山本真一さん(73) 「田んぼや畑を守っていかんといかん。北澤さんには農地の後継者として託していきたいので、頑張ってほしいですね」 ▼自給自足コミュニティの仲間・富田義生さん(55) 「北澤さんの話に共感して、2021年7月に移住してきました。以前はオーガニック居酒屋をしていましたが、今は自分で無農薬・無肥料の野菜を作っていることがとても楽しいです。狩猟免許も取得しました。草刈りをしたり木を伐ったり、山本さんたちに教えてもらいながら生きる術を学んでいます」 ▼『民泊 土と和』Webサイト http://wwwd.pikara.ne.jp/tsuchi-to-wa/index.html ※このインタビューは2023年3月現在の内容です。
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