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「中町集落の教科書」とは?
「中町集落の教科書」は、はじめて集落を訪れた人や、移住を考えている人、集落に興味がある人など、中町集落に関わる人に知っておいてほしい地域の情報をぎゅっと詰め込んだ教科書です。 集落のルールや、この地域ならではの風習、暮らしの注意ごと、人々の暮らしぶりなど。 この教科書を参考に、中町集落への理解を一歩深めながら、この地域の暮らしや滞在を楽しんでください。 (※このトピックスは「中町集落の教科書」冊子から抜粋しています) https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/621432.pdf 【中町集落とは】 ■立地 新潟県と福島県の県境にある「会津の西の玄関口」といわる西会津町。 その北部にある奥川地区の中に「中町集落」があります。 北川には1,000m級の山々が連なり、春夏秋冬それぞれに美しい風景をみせてくれる自然豊かな地域です。 奥川という川では、イワナやヤマメなどの渓流釣がさかんで、シーズンには多くの釣り客が訪れます。 山奥でありながら縦貫道と国道が通っていて、比較的アクセスしやすい環境です。 ■中町集落を語る8つのキーワード ①奥川地区の中心地 町の機能的な施設がそろう中町集落。 「ここは銀座通りだ」という地元の人も。 ②毎日が絶景 季節それぞれに美しい風景を見せてくれます。 ③農業の名人 集落の多くの人が、米づくりや野菜づくりをしています。 ④ものしり博士 かつては山や田んぼが遊び場だったということもあり、お年寄りたちは自然についていろんなことを知っています。 ⑤お茶飲み好き 道端で会ったり挨拶したりすると「茶でも飲んでげ~」と、すぐお茶飲みに誘ってくれる文化があります。 ⑥古くて新しい 昔ながらの日本の田舎の風景が残っていながらも、県内外から絶えず多くの人が訪れえて活性化に取り組んでいます。 ⑦気さくで人が好き 中町集落全体がとってもアットホームな雰囲気。 はじめて訪れた人に対しても「どっから来たんだ?」と話しかけてくれて、親しみやすい人が多いです。 ⑧ツーリング客に人気のスポット 中町集落を横切る国道459号は、バイクツーリング客に人気のルート。 田畑や山に囲まれた気持ちの良い風景は、多くの人の心をひきつけています。
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自分たちの暮らしは、自分たちで守り、整える。
厳しくも豊かな自然環境の中で生きていくために、また、人口減少や高齢化が進む中でも集落の営みが継続できるように、中町集落では様々な取組や行事を集落をあげて行っています。 ぜひ積極的に参加して、地域の皆さんとの交流を楽しんでください。 ーー【集落のルール】 集落には「強いルール」「ゆるいルール」「慣例や風習」「消えつつあるルール」があります。 ●義務人足(にんそく) 「強いルール」「慣例や風習」 人足とは、自治区ごとに行う共同作業のこと。 中町集落をはじめ、稲作が中心の山間部の集落では、数kmにもわたる水路の整備や水利施設の管理、道路の草刈りや道路整備など、自分たちが暮らす環境を自分たちの手で守り、整えることが暮らしの基本となっています。 正直体力的にも簡単な作業とは言えない取組ですが、いかにして集落が人々の努力と手によって守られてきたのかを知ることができ、集落の人たちと深くつながる接点にもなります。 ーー義務人足①:水路の落ち葉上げ 中町集落にある田畑で使う水は、山の中に整備された溜池から水路を引いて集落まで水を流しています。その道のりは5kmほど。 この水路に落ち葉が溜まってしまうと、集落まで水を流すことができず、田畑の水不足に悩むキッカケに。 それらを防ぐために定期的に水路の掃除(落ち葉や泥上げ)を行います。 開催日は、4月・7月・11月末の年3回。 ーー義務人足②:3kmにわたる農道の整備 作業内容としては水路掃除とほぼ同じです。開催時期も同じく3回。 どちらの人足に行くかは集落内で役割分担をしています。 近年では人口減少のため、周辺の集落の人の力を借りたり、町内外の有志を募ったりと、外部の協力も大きな支えとなっています。 ーー移住者は2~3年の参加猶予あり 義務人足は集落の住人にとって参加義務のある取組ですが、集落の暮らしに慣れない移住者は、2~3年の参加猶予が設けられます。 ーー義務人足に参加できないときは? 様々な理由で義務人足に参加できない場合は「代夫賃(だいふちん)」を集落の会計担当に支払いましょう。 1日がかりの人足の場合は5,000円、半日の場合は2,500円です。 この費用は中町集落の維持、運営費などに充てられます。 ●回り人足「ゆるいルール」 3人1組の当番制で行う人足。 消火栓や防火水槽の除雪、集会所の雪囲いなど、細々とした作業を担当します。 具体的な仕事内容や時期は区長さんから指示があるので、担当する3人で話し合って役割分担をします。 参加できない場合の「代夫賃」はありません。 ーーーーーーーーーー ーー【中町集落・奥川地区から生まれたプロジェクト】 集落の人口は減少しつつも、集落に関わる人が増えている中町集落。 例えば、大学生がゼミの一環でフィールドワークを行ったり、芸術系の大学生が集落に滞在しながら作品制作をしたり、中町集落や奥川地区のお米を使って東京でおむすび屋を始める人がいたり。 大学生・企業人・アーティスト・クリエイターなど多様な人が行き交い、この集落から新しい取組が次々に生まれています。 ●新しい助け合いの仕組み~未来型「結」 現代のように農業の機械が進んでいなかった頃、中町集落のような農村地域では、農家同士がお互いに田植えや稲刈りを手伝い、助け合う文化が根付いてました。 これを「結」と言い、報酬などの金銭的なやりとりは発生せず「結でやんべ」とお互いに声をかけ合って、集落の暮らしの大きな割合を占める農業を、人の手によって支えていたのでした。 しかし、集落の人口減少や高齢化が加速した今、集落の人たちの手だけでは、農業や昔から受け継いできた文化・風習も守りつないでいくことが難しくなっています。 そこで、かつての「結」を現代風にアレンジした”未来型「結」”として、助け合いの仕組みや関係性を新しく紡ぎ直す動きが生まれています。 発起人は西会津町の地域おこし協力隊・長谷川幸志さん。 中町集落や奥川地区の人たちがつないできた集落の営みを、維持・発展させていく取組をスタートさせました。 キッカケは、ソーシャルプロデュースプロジェクトを仕掛ける実践型のコミュニティ「社会創発塾」に参加したことでした。そこで出会った塾長の鈴木寛先生と意気投合し、鈴木先生が東京大学教授、慶應義塾大学特任教授として研究室やゼミを受け持っていることから、中町集落に大学生が集うようになったり、若い世代の人たちの行き交いが活発になっていきました。 そうして中町集落を訪れた人たちは、田植えや稲刈りを体験したり、人足に参加したり、その過程の中で集落の人たちと交流したりと、集落の営みに触れて関係性を深めています。 町外、県外から訪れる人たちにとっては、なかなか日常で体験することのない農作業を実践しながら、農山村の暮らしや文化に親しむキッカケとなり、中町集落の人たちにとっては、新しい視点や価値観を持つ人たちとの出会いや交流が育まれ、地域の内・外を越境する関係性”未来型「結」”がかたちになりつつあります。 ーーーーーーーーーー ▶「中町集落の教科書」では、集落に住むおばあちゃんの声や移住者の声なども掲載しています。 https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/621432.pdf ▶西会津町では、お試し住宅「Otame]で実際の暮らしを体験することができます。 https://pitamachi.com/municipality/topics/1703
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