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最近よく聞く「空き家バンク」って一体なに?活用方法を徹底紹介

投稿日:2024/3/5 更新日:2024/3/13
  • 「空き家バンク」ってなに?

    世の中の価値観が多様化し、働き方や住み方の選択肢が大きく広がっています。そのなかで、地方に移住したいと考えている人が増えていますが、移住を検討する際に悩ましいのは住居の問題ではないでしょうか。
    実際に住みたいエリアはあっても、どのように物件を探せば良いのか、田舎になればなるほど情報量も少なくなり見つかりにくい傾向があります。そこで、活用したいのが「空き家バンク」です。
    最近、移住関連のキーワードでよく聞く「空き家バンク」ですが、具体的にはどのような仕組みなのでしょうか。今回は「空き家バンク」について、メリットやデメリット、活用方法も含めて紹介します。
    
    
    ーー「空き家バンク」とは?
    
    「空き家バンク」とは、日本全国に点在する利用されていない空き家を活用しようという取り組みです。この制度は、空き家の所有者とこれを借りたい、あるいは買いたい人をつなぐために設けられました。
    日本では、高齢化や人口減少の影響で空き家の数が増加しており、それらを有効活用することで地域の活性化を図っています。空き家バンクの仕組みは自治体やNPOなどが運営することが多く、空き家の情報を集め、それをデータベース化しています。
    利用者は、このデータベースを通じて、自分に合った物件を探すことが可能です。物件の情報は価格や立地、築年数など詳細にわたっており、様々なニーズに対応しています。
    この制度の大きな魅力は、比較的安価で物件を手に入れることができる点です。また、地方移住を検討している人にとっては地域の特色を活かした物件が多く見つかるため、新たな生活を始めるのに適しています。
    一方で、空き家の所有者にとってもメリットがあり、放置するよりも物件を有効活用できるため、維持管理の負担が軽減されます。
    しかし、空き家バンクを利用する際にはいくつかの注意点があります。一つは、物件の状態です。長期間放置されている空き家は、修繕が必要な場合が多く、購入や賃貸前にリフォームの必要性を確認することが重要です。
    また、地域によっては、生活環境やアクセスなどが異なるため、実際に訪れてみることも大切でしょう。
    空き家バンクは日本の空き家問題に対する一つの解決策であり、利用者にとっても、所有者にとっても、そして地域にとっても多くの利点があります。適切に活用することで、新たな住まいを見つけるだけでなく、地域の再生にも寄与することができるでしょう。この制度を利用することで、より豊かな生活と地域コミュニティの活性化が期待できます。
    
    
    ――空き家バンクのメリット
    
    「空き家バンク」の概要について解説してきましたが、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか。
    
    ●低コストでの物件を入手できる
    空き家バンクを利用する最大の魅力は、通常の市場価格よりも低い価格で物件を手に入れることができる点です。多くの空き家は、所有者が維持管理に負担を感じているため、割安な価格設定となっているのです。
    これは特に初めての家を購入する人や、限られた予算で移住を考えている人にとって大きなメリットといえます。
    
    ●地方への移住促進ができる
    空き家バンクは、人口減少に悩む地方都市に新たな住民を呼びこむ効果があります。これにより、地方の活性化が期待でき、地域コミュニティの強化にもつながります。
    また、都市部とは異なる生活環境を求める人々にとって、新しい選択肢となるでしょう。
    
    ●家の持ち主は維持管理の負担軽減ができる
    空き家の所有者にとって、維持管理は頭の痛い問題です。しかし、空き家バンクを利用することでこれらの物件が活用されるため、所有者の負担が軽減されます。
    結果として、物件の価値の減少を防ぎ、地域の景観維持にも寄与することになります。
    
    ●移住者にとっては多様な選択肢がある
    空き家バンクには、様々な立地や構造、価格帯の物件があります。田舎の古民家から都市近郊にある現代的な住宅まで、幅広い選択肢が用意されています。そのため、空き家バンクを使うことで、利用者は自分のライフスタイルやニーズに合った物件を見つけやすくなるでしょう。
    
    ●地域資源を活用できる
    空き家バンクを通じて、放置されていた物件が再活用されることで、地域資源の有効活用が進みます。これは、環境保護の観点からも重要です。無駄な新築を減らし、既存の資源を活用することで、持続可能な社会の構築に貢献します。
    
    これらのメリットを踏まえると、空き家バンクは単に空き家問題の解決策ではないことがわかるでしょう。持続可能な社会づくりや地方の活性化、個人が住宅を持つことを容易にするといった多方面にわたる利点があります。
    
    
    ーー空き家バンクのデメリット
    
    「空き家バンク」は、移住を希望している人、田舎の持ち家を管理するのに苦労している人双方にメリットのある仕組みです。しかし、デメリットもあるので、しっかり把握して効果的に活用しましょう。
    
    
    ●物件の状態に不安がある
    空き家バンクの物件は長期間にわたり使用されていないことが多く、建物の状態に不確実性があります。修繕が必要な箇所や、老朽化による問題が含まれることがあるのです。
    そのため、購入者は、想定外の修繕費用に直面するリスクを考慮する必要があります。
    
    ●不便な立地にある
    空き家バンクの物件は、多くが地方の田舎に位置しています。これは、都市部や便利な立地を求める人にとっては不便な場合があります。
    また、地方によっては公共交通のアクセスが限られている場合もあり、日常生活での移動が困難になる可能性があるでしょう。そのため、車を用意するなど事前の準備が重要です。
    
    ●リフォームや改修の必要性がある
    多くの空き家は、今の生活スタイルに合わせたリフォームが必要になります。そのため購入費用のみならず、リフォーム費用も含めたトータルコストが増加する可能性があります。
    
    ●法的な問題や制限がある場合がある
    空き家バンクの物件には、法的な制約や遺産相続の問題が絡むことがあります。これにより、取引の過程で予期しない法的な問題に直面することがあり、物件の引き渡しに時間がかかることもあるでしょう。
    事前にしっかり情報収集しておくことが大切です。
    
    ●地域コミュニティへの適応が難しい場合がある
    新しい地域に移住する際、地元のコミュニティや文化に馴染むことが必要です。これは、特に都市部からの移住者にとっては負担が大きいものかもしれません。
    しかし、受け入れる側の地域の方々も、どんな人が移住してくるのか不安なものです。自ら飛びこみ、コミュニケーションを図ることで、お互いの理解が深まるでしょう。
    
    ●生活インフラが整っていない場合がある
    地方の空き家周辺には、生活に必要なインフラが整っていない場合があります。例えば、インターネットの接続環境や医療施設、買い物をする場所が限られているかもしれません。
    しかし、不便なことを楽しむのも田舎暮らしの良いところだと、考え方を切り替えるのもポイントです。

  • 「空き家バンク」の活用方法

    移住を検討する際に「空き家バンク」は便利な仕組みです。しかし、実際にどのように利用すれば良いのか悩む方もいるでしょう。
    ここからは、空き家バンクの利用の流れや注意すべき点などについて説明していきます。
    
    
    ーー●空き家バンクの利用の流れ
    
    空き家バンクを利用する際のプロセスを詳細に解説します。プロセスは一般的に以下のステップに分かれますが、自治体や運営機関によって多少の違いがあるため、留意してお読みください。
    
    
    【情報収集をする】
    最初のステップは、空き家バンクのウェブサイトや関連資料を通じて情報を収集することです。多くの自治体や運営機関がオンラインで物件情報を提供しており、価格や立地、物件の特徴などが紹介されています。この段階で、自分のニーズに合った物件のタイプや立地を考えることが重要です。
    
    【自治体等に相談する】
    次に、興味を持った物件があれば、自治体や運営機関に連絡を取り、最初の相談をおこないます。この段階で、物件の詳細情報や利用条件などを確認し、自分の要望や疑問を伝えましょう。
    また、必要に応じて、物件の現地確認の手配をおこなうこともできます。
    
    【現地を確認する】
    物件に興味がある場合、現地確認をおこなうことが大切です。この時、物件の状態を直接確認するとともに、周辺環境やアクセスなどもチェックします。
    また、地元の住民や自治体の担当者と話をすることで、地域の雰囲気や生活環境を理解することができます。
    
    【希望する物件の申し込みをする】
    物件に満足し、利用を決めた場合、次に申し込みをおこないます。申し込みには、身分証明書や所得証明書など、必要な書類が求められることがあります。
    この段階で、賃貸契約や購入契約の条件についても詳細に確認しましょう。
    
    【契約を締結する】
    申し込みが受理されると、契約の締結に進みます。賃貸の場合は賃貸契約、購入の場合は売買契約を結びます。契約時には、契約内容を十分に理解し、必要な場合は法的なアドバイスを受けることが望ましいです。
    
    【引き渡し後に実際に移住する】
    契約が完了すれば、物件の引き渡しを受け、移住の準備に取りかかります。この段階で、リフォームや家具の配置など、新しい生活空間を整える作業をおこないましょう。また、地域のコミュニティにも参加し、新たな生活をスタートさせる準備も並行しておこなうことが重要です。
    
    
    ーー■空き家バンクを利用する際の注意点
    
    「空き家バンク」は、一般的な物件サイトなどには掲載されていない、田舎の魅力的な家を探すことのできる制度です。しかし、利用する際には注意すべきポイントもあります。
    
    ●空き家になった理由を確認する
    空き家バンクの物件を選ぶ際は、その物件がなぜ空き家になったのか、その理由をしっかりと確認することが重要です。理由には、立地の不便さや老朽化、遺産相続の問題など、様々なものがありえます。
    これらの理由が、将来的な生活や物件の価値にどのように影響を及ぼす可能性があるのかをしっかり検討しましょう。
    
    ●物件の現状を把握する
    空き家の状態は、使用されていない期間や維持管理の方法によって大きく異なります。物件の現状を正確に把握するためには、現地調査をおこない、必要に応じて専門家の意見を求めることが望ましいです。
    特に、構造的な問題や修繕が必要な箇所は、事前に把握しておきましょう。
    
    ●リフォームや改修の費用見積もりをする
    多くの空き家は、リフォームや改修が必要になる場合があります。そのため、物件購入の前に必要なリフォームや改修の費用を見積もり、トータルコストを検討することが必要です。
    
    ●法的な調査や手続きをおこなう
    空き家バンクの物件を購入または借りる際には、法的な調査をおこなうことも不可欠です。所有権の確認や遺産相続の問題、地域の建築規制など、法的な制約がないかを確認する必要があります。これらの調査を怠ると、後にトラブルに発展するリスクにつながりかねません。
    
    ●地域コミュニティに溶けこめるかどうか確認する
    地方の空き家に移住する場合、その地域のコミュニティに適応することも重要です。地域の文化や習慣、言語など、新しい環境に馴染むためには時間と努力が必要になります。
    地域住民との関係構築を積極的におこない、地域社会に溶けこむことが大切です。
    
    
    ーー■各自治体でおこなっている空き家バンクの取り組み
    
    空き家バンクは、全国の様々な自治体でおこなっています。自治体により、サービス内容や扱っている物件が異なるので、しっかり情報収集をして自分に合ったものを見つけることが大切です。
    ここからは、全国の自治体がおこなっている空き家バンクの中から、ピックアップして紹介していきます。
    
    ▶岡山県笠岡市
    岡山空港から約1時間の場所にある岡山県笠岡市は、自然に恵まれた環境にありながら交通の便が良いため、生活がしやすい環境です。
    ここでも空き家バンクの仕組みが整っていて、年間50件もの契約が締結されています。移住先を検討する段階から実際に移住するまで、移住相談員がワンストップでサポートしてくれるのも魅力です。
    空き家バンクに登録されている物件のリフォーム費用の一部を助成してくれる制度などもあるので、古い物件に住む際のハードルを下げてくれるでしょう。
    
    <参考>
    https://pitamachi.com/municipality/detail/26
    https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/
    
    
    空き家バンクは移住先の住居を探す際に積極的に活用したい仕組みです。メリットとデメリットを把握した上で、自分にぴったりの住まいを探しましょう。
    また、空き家バンクをおこなっている自治体を探す際には、移住マッチングサービス「ピタマチ」がおすすめです。「ピタマチ」には全国の自治体の移住に関する情報が集約されているので、様々な情報を比較検討できます。
    
    ▶理想の暮らし診断
    https://pitamachi.com/diagnose/desc

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